ビジネス編

[B第3話]ビジネスに目覚めた日

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高級外車を何台も持つ彼は
わずか20歳だった。

ユーゴ物語 -ビジネス編-
『20歳の師匠に教わったお金の稼ぎ方』

これから語るのは起業直後の
ノンフィクション物語です。


ユーゴ物語 -ビジネス編-
[第1話]夢を諦めての起業
[第2話]ホームページの作り方がわからない
[第3話]ビジネスに目覚めた日 ←いまここ
[第4話]ビジネスで遊ぶ感覚


第3話「ビジネスに目覚めた日」

「お母さんね、夢があるの」
「お父さんと、お母さんと、あなたの3人で会社がやりたいの」

しばらくパニックで頭がフリーズしていた。

もし会社をやるとなると
土日は返上、ヘコヘコ頭を下げて。
青春をギセイにして30歳でハゲている。
俺の人生…そんなのでいいのか?

でも…夢。
夢と言われたら断れない。

やりたいのか?
…わからない。

母は、やりたい。
俺は、わからない。
父は、、どう考えているんだろう。

思い切って父に聞いてみた。

「しょうがない。やるしかないだろ。」

しょうがない・・・。
しょうがないで俺の人生をギセイにして良いのか?

その夜、親に伝えた。

「俺、1年後に家を出る」
「それまでの生活費は面倒見る。最後にお金も置いていく」
「だから!その後の人生は好きにさせてもらう!」
「…俺の人生だから」

【自分の人生を生きる】

その日から寝る暇もなく働き始めた。
自分の人生を買い取るような覚悟だった。

でもホームページの仕事はできるだけやりたくない。
何か他のお金の作り方で。

あと、社会経験が薄いのをなんとかしたい。

求人誌で目に止まったテレアポ。
これだったら営業スキルもマナーも強化できるんじゃないか。

「やってダメなら辞めればいい」
自分に言い聞かせるように行動に移す。

そこからテレアポのバイトを掛け持ちすることになった。
しかしこのバイトが人生を大きく変えることとなる。

テレアポというと営業電話かと思いきや
プロバイダのサポートセンターだった。

「新規でネット回線申し込みたいんですが」とか
「メールが受信できなくなったんだけど!」とか
そういうお客さんの電話対応の仕事だった。

隣の席で同じ仕事をしていたのがタツヤ
後に俺のビジネスの師匠となる男だった。

【早朝4時に遊びに行く】

タツヤは20歳、ちょうど同い年で大学生だ。
俺も父親が失業してなければ、こんな風だったかもしれない。

でも何か…違和感があった。
上手く言えないけど、中身と外見が一致していない感覚。

もちろん俺も人のことは言えない。
だからかすぐ仲良くなり、いつも一緒だった。

ある日タツヤから遊びに行こうと誘われた。
車に乗せられ、着いたのは電気量販店。

しかし時間は明け方の4時。
当然開いていない。
まさか侵入する?

「よかった、まだ人が少ないですね」

よく見ると数人が並んでいる。
タツヤは慣れた様子で列の人に話しかけている。

「5人目だからぜんぜん大丈夫です」
折りたたみの椅子とカイロを手渡してきた。
まだ話が見えない。

困惑する俺の心を見透かしたように
チラシを手渡してきた。

「パソコンが先着10名100円なんです。」

新聞の折込チラシに目玉商品を載せて
客寄せをする良くある手だという。

「普通の人がチラシを見る頃には100人は並んでますよ」
「だから我々みたいな並び屋しか買えないですね」
「あ、でも客寄せは成功してるので誰も損してないですね」
「すぐに景品法で取り締まられるので、今だけの遊びですよ」

いま遊びって言った?
これがタツヤにとっての遊び?

「はい!先週は隣の県まで並びに行きました!」
嬉しそうに言う。

ってことはパソコンを何台も持っている?

「はい!家にダンボールのままゴロゴロしてます」

理解不能だ。
そういえば乗ってきた車も高級車だった。

聞けば親が大企業の重役らしい。
金持ちのボンボンのやることはわからない。

とはいえ、俺も便乗してパソコンが安く買えた。
自分はもっと良いパソコンを持っているので
これは父親にあげることにする。

徹夜明けで自宅に戻り
今度はホームページの仕事をする。

さすがに疲れるが、お金のためだ。

【え?開けちゃったんですか?】

翌日、またバイト先でタツヤに会った。

「来週は隣町でやってるので並びましょう!」

タツヤ、もうパソコンは足りてるよ。
君だって未開封で何台も持っててもしょうがないだろう?

「何言ってんですか!自分用じゃないですよ」
「1台15万円で売れるんです」
「先月だけでも10台で150万円でしたよ」

ちょっと待て、いま何て言った?
10台?150万円?
斜め上すぎて混乱する。

「え?開けちゃったんですか?勿体無い!」
「一度でも開たら中古になるので値段下がっちゃいますよ!」

そうか、やっとわかってきた。
タツヤは転売を遊びとしているのか。

褒められたことじゃないけど
こうやって儲ける手口もあるんだな、

ともかくお金が必要な俺は
批判しつつも便乗したい。

しかし1つ気になった。
週イチだとしても4台なのに
どうやって10台も手に入れたのか。

「友達にバイト代を払ったんですよ」
「1万円あげるから並んでくれないか?って」
「もちろん並ばせて自分は帰って寝るんですけどね」

うわー、プロの転売屋だわ。
でも利益14万でしょ?エグいなー。

「でも大学生の友達からすると一晩で1万円って良いでしょ?」
「それを言ったらユーゴさんもホームページ30万とか(笑)」

いや、俺は真っ当な・・・むむむ。
確かにお金の稼ぎ方を言い始めたのは俺だ。

良い稼ぎ方、悪い稼ぎ方なんてあるのか?
でもタツヤの場合はみんな喜んでいるし…。

タツヤは自分なりのポリシーがあるようだ。
俺は自分の中でまだ答えがハッキリしていない。

同い年なのに、悔しい。

 

次回予告

単なる小賢しい奴と思っていたが
彼の真の姿を知り尊敬するようになる

タツヤの真の姿とは?

 

第4話「ビジネスで遊ぶ感覚」

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